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【共同親権の導入で何が変わる?】何がやばいのか反対の声があるその理由についても解説
2024年5月、法案見直しにより
「共同親権」=子どもの親権などを定めた改正民法が可決・成立しました。
共同親権の導入で何が変わるの?
共同親権ときくと一見、よりよい法改正のようにも聞こえます。
しかし、シングルマザーにとっては懸念の声が多く、反対意見による署名活動までされています。
いったいなぜでしょうか?
今回は、共同親権になることで何が変わるのかや反対の意見が多いその理由などについて解説していきます。
これから離婚する方にとって、親権問題は知っておきたい内容です。ぜひ参考にしてくださいね。
- 共同親権の基本的なことがわかる
- 共同親権のメリットデメリットがわかる
- なぜ反対されているかがわかる
- 今後の影響などがわかる
このみん(30)
節税や投資に詳しい人
FP2級・簿記3級
シングルマザーがおうちで稼ぐ方法を伝授 金融webライター/ブログ歴4年目
共同親権とは、子どもの父母双方が親権を持っていること
これまで日本の制度では、子どもの父母が結婚している間は共同親権ですが、父母が離婚した後は必ず単独親権(父母の一方のみが親権を持つこと)となり、共同親権とすることはできませんでした。
親権とは、子どもの利益のために、育てたり・教育を行ったり、子の財産を管理したりする義務のこと!
「子どもの利益」は、簡単に言うと子供にとって最も良いことを意味します
しかし、2024年5月に離婚後も共同親権を選択できるように法律が改正され、2026年5月までに施行されます。
離婚後も共同親権になることで、離婚後に子どもと離れて暮らす親(通常は父親)も子育てに、ある程度は積極的に関わるようになると考えられています。
【2026年開始予定】共同親権で何が変わる?
今回の法改正のポイントは2つあります。
- 養育費
- 親権
1. 養育費
厚生労働省によるシングルマザー4000世帯を対象にとった統計結果では、養育費を現在も受け取っている世帯は2割ほどと言われています。
裏を返すと、約7割近くが養育費を受けたことがないなどもらっていないことが明らかになりました。
これらを踏まえて、以下の2つが新たに導入されることになりました。
- 先取特権…合意書など一定の条件があれば優先的に養育費の差し押さえ
- 法定養育費…取り決めなしでも必要最低限の金額の養育費を請求
養育費において、離婚する時に合意や取り決めがなくても請求や差し押さえが昔より容易になるとのことです。
2. 離婚後の子どもの親権
今の制度では、両親が離婚すると、子どもの親権は「父か母か」一方を選ぶ単独親権となっています。
それが改正後では、双方が合意すれば共同親権も選択することができるようになります。
ただし、両親の合意が難しい場合は、家庭裁判所が「単独親権か共同親権か」判断することになります。
共同親権のメリットデメリット
メリット
- 離婚時の親権争いを回避することができる
- 別居親も積極的に子育てに関わるようになる
- 面会交流の実施や養育費の支払いが促進される
私的には親権争いが回避、どころか加速しそうな気がするけど…
デメリット
- 児童虐待やDVが継続する恐れがある
- 親権者間の連携がうまくいかないと子どもの利益を害する恐れがある
別居する側からしたら、共同親権がありがたいのかもしれないけど…そもそも夫婦は合わなくて離婚するのに、共同親権を選ぶと離婚後も関係が近くなってしまうよね💦
共同親権…いまさらなぜ?
「そもそもなぜ共同親権が導入されることになったのでしょうか?」
親権について日本はこれまで「単独」のみの制度でした。
実は、単独親権の日本は世界的にみると珍しく、先進国では3か国のみにとどまっています。
また、議論するきっかけになったのは、離婚する親が増えている中で離婚によって与える子供への影響が大きいことも背景にあります。
離婚後は単独親権のため、
- 親権がない片方の親が子どもの養育に関与しなくなる
- 離婚後、自身の子どもに会いたくてもなかなか会えず疎遠になってしまう
このような問題がありました。
改正民法が成立したことによって、
共同親権・賛成の声
「両親の離婚=親子の別れ」となり親権をとられた側は、子どものことに関与しづらいという流れが変わるきっかけになり大きな意義を持つ、という声があります。
一方、
共同親権・反対の声
DVをする親にも共同親権が認められるのではないか、といった懸念の声があります。
家庭裁判所が判断する上で、
- DVの客観的証拠がなかったら単独親権にしてもらえないのではないか?
- 双方の主張を公平に見てもらえるのか?
- そもそも家庭裁判所が虐待の有無など把握できるのか?
このような不安の声が多くあります。
共同親権の3つの懸念点
共同親権には反対の声が多くあり、署名活動が続いています。
懸念点は以下の3つ
- DVなどの暴力による離婚のケース
- 家庭裁判所の負担増加
- 共同親権となった場合の決め事
1. DVなどの暴力による離婚のケース
上記でも触れましたが、DVをする親にも共同親権が認められるのではないか、といった懸念の声があります。
ですが万が一、家庭内暴力やモラハラなどの精神的暴力がある場合は、子どもの心身に悪影響があるとされるため「単独親権」になると言われています。
また、施工前に離婚した夫婦において「単独」→「共同親権」に変更したい場合、家庭裁判所に変更の申し立てができるようになっています。
2.家庭裁判所の負担増加
裁判所側の負担は年々増加していると言われています。
最高裁判所の調査によると、全国の家庭裁判所が扱った子どもの親権巡る調停や審理では
2011年2970件→2020年5098件
9年で倍近く増えているね💦
共同親権が施工されると、今まで以上に裁判所の負担が増えることになります。
そのため、現状の家庭裁判所が正しく判断できるのか?そういった観点でも懸念点が示されているのです。
3.共同親権となった場合の決め事
共同親権になると以下の内容を元夫婦で決めていきます。
- 【財産管理権】遺産の相続などの決定
- 【見上(しんじょう)監護権】進学先、引っ越し先、住む場所などの決定
共同親権となった場合、子供の日常的な決め事はどこまで決めなきゃいけないの?
共同親権でも「単独」で決める場合
- 習い事
- ワクチン接種 など
「共同」で決める場合
- 子どもの緊急手術
- 高校大学など合格して短時間で必要になる入学手続き
一般的には元夫婦の話し合いにより決めることになりますが、この「急迫」というものがどの場面を指すのか難しく、判断しずらいといった懸念の声が上がっています。
共同親権になった場合、児童扶養手当などの収入要件はどうなる?
「これまでもらっていた児童扶養手当まで折半になってしまうの?」
「高校無償化の収入要件は夫婦で合算されちゃうの?」
そう不安に思う方もいらっしゃると思います。
共同親権を選択した場合、児童扶養手当は子どもと暮らして養育しているなど監護している人の所得によって判断されるため、元夫婦の収入が合算されることはありません。
\詳しくはこちら/
一方、高等教育無償化はDVなどで経費負担を求めることが難しい場合をのぞき、元夫婦の収入を合算して受給資格の認定を行います。
単独親権の時と比べて受給しづらくなる可能性があるため注意が必要です。
共同親権など「改正民法」の今後
今回の記事をまとめると…
・法改正により、2つの見直しがされた
1.養育費がこれまでより容易に請求や差し押さえがしやすくなる
2.親権は離婚時の話し合いで「単独親権」か「共同親権」か選ぶことができようになる
・共同親権とは、子どもの父母双方が親権を持っていること
・共同親権により、離婚後も協力して子育てすることができる(と言われている)
・共同親権は懸念点が多く反対運動まで起きている
・2026年施工予定である
共同親権はさまざまな意見があり物議を醸しています。
不安や懸念を少しでも解消するために、法改正の内容を周知することや体制づくりに向けた支援の強化が重要なポイントです。
国会の議論を経て、今後は政府がガイドラインを作成し盛り込む予定とのこと。
改正民法は2026年ごろをめどに施工予定とのことで今後の動きに注目しておきましょう。
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