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【離婚前のNG行動】離婚届を出すと婚姻費用がもらえなくなる?
「離婚届を書いて置いたまま家出しようか迷っている…」
離婚前は精神的にも参っていて、今すぐにでも家から出たいですよね。
ですが実はそれ、NG行動です!
離婚届を置いて出るとそのまま提出される可能性があるため、離婚届は書いて出てきてはいけません。
離婚したいから勝手に出してくれてもいいのに…
そう思うかもしれませんが、離婚届が提出されてしまうと、離婚成立してしまうため「婚姻費用」が受け取れなくなってしまいます。
本記事では、婚姻費用とは何か?初めて聞く方にも分かりやすく解説します。また、養育費との違いについても詳しく書いていきますね♪
ちょっとした知識で将来が大きく左右されますので、損をしたくない方はどうぞ最後まで見ていってください。
このみん(30)
節税や投資に詳しい人
FP2級・簿記3級
シングルマザーがおうちで稼ぐ方法を伝授 金融webライター/ブログ歴4年目
婚姻費用は、離婚成立前の生活費
婚姻費用(こんいんひよう)とは、夫婦が別居する際などに収入が少ない側が収入の多い側に支払いを請求することができる生活費を言います。
婚姻費用には主に、
- 住居費
- 食費や光熱費などの生活費
- お子さんの養育費
- 医療費
などが含まれます。
別居中も離婚しなければ法律上は夫婦として扱われるため生活扶助義務は継続し、これに基づく「婚姻費用」が発生します。
別居=経済的な義務の終了と考えがちですが、現実はそう単純ではありません。
別居期間中も、婚姻費用を支払う必要があります。
誤解されているのは、別れる妻に婚姻費用は払いたくないと主張することが多くありますが、実はこれは子の養育費も含んだ概念なのです。
養育費が離婚後に生じる費用であるのと違い、婚姻費用は結婚から離婚までの間に発生します。
婚姻費用の請求方法は?
- 話し合い
- 内容証明郵便による請求
- 家庭裁判所での婚姻費用分担調停
- 家庭裁判所の審判
- 強制執行
話し合いでも決まらない場合、下に流れるように進んでいくよ
養育費と婚姻費用の違い
どちらも生活費という名目では同じ費用ですが、一般的にお子さんがいる家庭では養育費よりも婚姻費用の方が高くなります。
養育費 | 婚姻費用 | |
何の費用か | 子供だけの費用 | 子供+配偶者の生活費 |
いつの費用か | 離婚した後 | 離婚するまで |
養育費と婚姻費用を混同してしまうと、早期の離婚を目指した方がいいのか、時間をかけて離婚条件を交渉していった方がいいのか、判断を誤ることになります。
交渉を有利に進めるためには、自分の置かれている状況や相手の置かれている状況をきちんと理解することが大切です。
養育費と婚姻費用についても、正確な知識を手に入れておきましょう。
婚姻費用はいくらもらえる?
婚姻費用の金額は、基本的に夫婦が別居前や別居後に話合って決めます。
一定の相場はありますが、双方が合意すれば相場にこだわる必要はなく、いくらにしてもかまいません。
とはいえ、話し合いではなかなか決めにくいよ…
そこで、家庭裁判所で婚姻費用を決める場合「婚姻費用算定表」という早見表を用いて金額を算出します。
この算定表は、家庭裁判所で用いられている婚姻費用の算定方法(標準算定方式)による計算結果(おおよその金額)を簡単に確認できるようにしたものです。
例えば、下の算定表を使って夫婦二人子供がいないケースで見てみます。
夫が自営業(個人事業主)で所得300万円前後、あなたの給与収入が約100万円だったとすると…
毎月4~6万円を婚姻費用としてもらえることになります。
あくまでも概算ですが、お子さんがいる家庭ではここからさらに加算されていく計算です。
話し合いで決められない場合には、家庭裁判所で婚姻費用分担請求調停を申し立て、調停委員に間に入ってもらって取り決めます。
調停では調停委員が相手に支払いを促してくれる可能性もあります。
話し合いで解決できなければ、審判に移行し、審判官が婚姻費用の金額を決めていくことになるでしょう。
婚姻費用の請求が認められないことってある?
婚姻費用が認められないケースは意外に多くあります。
例えば、
- 自分から勝手に別居した場合
- 自分が別居する原因を作った場合
- 相手よりも別居する原因を作った場合
- 相手よりも収入が高い場合
- 相手に支払い能力がない場合
このような時は、婚姻費用を請求しても認められないこともあります。
とはいえ、夫が暴力をしてやむを得ない状況で家を出た場合やモラハラなど精神的に耐えられず出てきたケースも考えられますよね。
その際は婚姻費用を請求できる可能性があるため、詳しくはお住いの役所や専門家に相談されてみてください。
離婚届を書いて出てきてしまった…
置いて出てきていなくても、夫が独断で離婚届を役所でもらい勝手に出されてしまうことがあります。
対処法としては「離婚不受理届」を役所に提出しましょう。
離婚不受理届とは、偽造した離婚届を勝手に提出されるおそれがある場合など、不本意な離婚を防ぐために設けられている制度です。
協議離婚届を受理する役所側は、記載要件について形式上で確認するだけにとどまり、受理に際して夫婦双方に対し離婚の意思を審査することは行いません。
そのため、勝手に離婚届を作成して役所に提出することが違法行為になるとしても、事実上は手続きができてしまうことになります。
この不受理届を出しておけば、離婚届が勝手に役所に提出されたとしても、役所では離婚届が受理されないことになります。そのため、形式上でも離婚は成立しません。
離婚の不受理の申し出は、年間3万件近くが利用されているという情報もあるよ
なお、不受理の申出は、原則として本人自身が役所に出頭して手続きすることが必要になっています。
代理人や郵送による申出は、原則として認められないため注意が必要です。
離婚不受理届を提出したら相手にばれる?
離婚届不受理申出をしたこと自体が相手に通知されることはありません。
相手が不受理申出に気づくとしたら、離婚届を提出しようとして受理されなかった時です。
なお、仮に不受理申出を行ったことが相手にバレたとしても、相手方は異議を申し立てたり強制的に取り下げさせることはできません。
離婚不受理届を取り下げる場合 受理申出の取下げは原則として取下げをする方本人が区役所の窓口へ出向き取下書を提出する必要があります。
その際、マイナンバーカードや免許証、パスポートなどの官公署発行の写真付き身分証明書で本人確認を行います。
これらの書類がやむを得ず提示できない場合は、保険証・年金手帳などの書類を複数提示していただきます。
離婚前は慎重に行動しよう
婚姻費用は、遡ることはできないため別居した段階ですぐに請求することが大切です。
離婚届を出してしまったばかりに婚姻費用の請求ができなくなってしまってはモッタイナイですよね。
離婚は情報戦
これからも学んだことはこちらのブログで更新していきます!
離婚前のあなたはこちらの記事を
離婚して収入アップ!?
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